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専業保険代理店の生き残る選択肢(虫の目編)


<【虫の目編】=募集人の視点>

連日TVのワイドショーやニュース番組では、吉本興業の各種問題が取り上げられ、私は「もうお腹一杯」で嫌気がさしているが、コーポレートガバナンスの問題等にも範囲が広がっている。

更に、ネット上では、賛否両論の様々な意見が飛び交っている。

今でも芸能界で活躍している大御所芸人は、自らの「芸を磨き」、チャンスを見つけてトライし続けた人ばかりだ。

売れない若い時代は、吉本興業の社員であるマネージャーと【一心同体】【二人三脚】で一人一人の人間として、心を通わせて、売れるために切磋琢磨してきたはずだ。

これは、人数も少ないファミリー企業であったからこそ実現できたものかもしれない。

マネージャー(社員)一人当たりの担当芸人数は、昔に比べると何十倍にもなっているだろう。

従って、会社論理として【売れている芸人】【売れそうな芸人】に注力していくのは当然のことだ。

会社サイドは、お笑い養成学校で教育して、各地に劇場を設立し、芸人のライブ活動を支援しているという環境が整えている。

【売れるか?売れないか?】は、芸人の「腕次第」「才能次第」「努力次第」そして「タイミング」だ。

保険会社と保険代理店の関係は、吉本興業社員と芸人の関係に似ているような気がする。

80年代の保険会社は、研修生の採用~教育~育成によって多くの募集人を輩出し、社員と【一心同体】【二人三脚】で、新規契約獲得推進してきた。人と人の繋がりがあるファミリー的な要素はあった。

しかしながら、時代の流れ(保険の自由化・顧客ニーズ&ライフスタイル変化)や環境変化(少子高齢化・国内マーケット減少等)、大規模自然災害増加などの外部要因から、保険会社は、海外マーケットへの進出、国内営業体制の効率化を余儀なくされている。

この状況下、保険会社の国内リテール営業現場において効率化は必須だ。

巨大化した大企業の保険会社社員と、大量にいる募集人(特に若い世代)との関係は、双方ともに【ファミリー】という感覚は薄れているだろう。

今や高齢化した研修生出身の代理店主にとっては『最近の保険会社社員は冷たい。昔はよかった。』といった浪花節マインドがある。

この大御所(あえてこの表現)は、「今の自分があるのは保険会社のおかげ。」と言いながら「俺が保険会社を大きくした。」という自負がある。

そして『俺が言えば保険会社は動く。どうにでもなる。』といった根拠のない自信があり、次世代に向けた代理店ビジョン(後継者問題・人材育成)も希薄で、具体的アクションプランも持っていない状態で、法人化するのが関の山だ。

大御所は、【名プレーヤーであって名監督ではない】人が多いので、ガバナンスは不十分。

教育体制も『俺の背中を見て芸を覚えろ!』程度で体系だったものはない。

そんな環境下において、保険募集人にとっても、「腕を磨く」「勉強する」「鳥の目・虫の目・魚の目といった各種視点を持つ」といった【当たり前】のことは、自分で学んでいかなければ絶対にダメということだ。

保険会社は【保険商品】の商品知識を中心にした勉強会等のサポートしてくれるが、販売ノウハウの支援は行ってくれない。(と言うか?『できない』というのが正しいだろう。)

私は、専業代理店が生き残るポイントは、次の2つと考える。

① 【コンプライアンス】と【ガバナンス】の強化

② 商品知識以外の【教育体系】と【マーケティング】

損害保険会社直轄の代理店は、現状では、上記①の体制は強化されていると想像できる。

しかしながら、損害保険会社社員が首脳陣となる体制では、募集人にとっては、窮屈で息苦しい管理体制なのは間違いないだろう。

上記②に関しては、どんな組織に属すにしても、募集人自身で創造しなければならない。

極論かもしれないが、募集人にとっては、【我慢】と【忍耐】のどちらを選択するかということだろう。

【忍耐】=嫌なことが起こったとき、そんな状況でも自分の心をポジティブな状態に保つ力。

【我慢】=嫌なことが起きた場合に、それを嫌なものとしてしぶしぶ受け入れる行為。

楽しくもない、向いてもいない仕事を我慢してやり、言いたいことを言ってはいけない雰囲気、本音を出すことができない雰囲気、加えて自分の時間も確保できない会社に馴染めと言われても、自由人には無理だろう。

腕のある募集人にとって、損害保険会社直轄の代理店は、魅力を感じられないと思うが?

専業保険代理店の生き残る選択肢(魚の目編:時代の流れ・業界動向を考えて)


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