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民間企業なら倒産では?かんぽ生命の再建は前途多難


麻生太郎財務相兼金融担当相は10日の記者会見で、独特な「麻生流」が飛び出した。


日本郵政グループの元総務相の増田寛也日本郵政社長ら新経営陣が9日に開いた【かんぽ生命保険の不正販売問題を受けての経営改革について】の会見に関して、


「言うのは簡単だけど、意外と大変だ。社風を一新しますなんて話はうそ八百。できっこないんだから」


と述べ、さらに、


「『古い組織を簡単に一新します』とか聞くと経営したことない人だなと思う。ああいう大きな組織は時間がかかるし、意識が下に浸透していくには更に時間がかかるから、辛抱強くやってもらわないといかん」


と付け加えた。


財務省は日本郵政の筆頭株主としての激励なのだろうが、日本郵政関係者からは「なぜ水を差すようなことを言うのか」と困惑の声も上がった。


“失言王”とも言われるほどの麻生大臣だが、今回の発言に関してだけは、私は納得した。



【かんぽ生命・ゆうちょ銀行の不適切販売】は、高齢者の「郵便局は間違いない」という、安心感を大きく裏切った国家ぐるみの『オレオレ詐欺以上の詐欺』事件でしかない。


しかしながら、現状においても、被害者との話し合いは進んでおらず


「あまりに不誠実な対応に疲れ切ってしまった。なんでだまされた側が嫌な思いをしないといけないのか」


「いまだに郵便局からは謝罪も説明もない。本来なら刑事事件になってもおかしくない不祥事だ。」


「本当にやり直すつもりなら、不利益を与えた顧客一人一人と真摯(しんし)に向き合うべきだ」


との声も聞こえてくる状態だ。


実は、小生の義母も被害者のひとりだ。


以前、かんぽ生命社員が事情確認に義母宅にやってきた際に同席させてもらって、当方から先方に対して宿題を提示したが、いまだに何の反応もない。


会社上層部からの指示通りの作業を行ったので、社内的には【一件落着】と処理しているんだろう。


前日本郵政グループ3社トップの会見を観ても、お分かりと思うが、【他人事感】と【保身】しか伝わってこない。


トップがこの姿勢なのだから、かんぽ生命の各社員はもっと【他人事感満載】で【保身だけ】になっても致し方ないだろう。


そこに、後任が企業経営も知らない郵政族では、冷笑しかできない。



以前勤めていた企業の某支店長の秘書業務をやっているスタッフ女性とランチした際の話。


女性:「部下って凄いのよ」


小生:「どうしたの?」


女性:「前任の支店長が指示していた【施策A】を、新任支店長は全て中止して、新しい方針【施策B】を打ち出したの。」


小生:「ありがちな話だね。新任支店長も“自分の世界”を打ち出したいんだよ。」


女性:「前任支店長当時の部下全員が手のひら返しよ(笑)


前支店長時代は、『いいですね!施策Aは』と言っていたのに、

新任支店長の歓迎会では『【施策A】はダメです。流石です。やっぱり【施策B】です。支店長!』


ですって、凄いでしょ?」


小生:「ありゃりゃ、サラリーマンあるある話だ。

その後【施策B】は上手く進んでいるの?」


女性:「上手くいくわけないでしょ。具体策がない【机上の空論】なんだもん。

現場に浸透するはずがないわよ。」


小生:「具体策は誰が考えるの?」


女性:「“具体策は現場の君たちが一番わかってるはずだ。君たちが考えて実践して欲しい”って支店全体会議で次長が連呼してたよ。」


小生:「ダメだこりゃ(笑)」



保険販売を行う郵便局員に対しての教育体制は、どう変わっていくのだろうか?


そこにメスをいれなければ、いくら、ガバナンスだ、コンプライアンスだ、お客様第一主義だ、と言ったところで何も変わらない。


【そもそも保険販売直接行ったことがない社員だらけ】

【誰もが飛びつくような商品がある訳でもない】


社風を一新するのなら、お客様と直接接して保険販売をする人間を育成する“実践的教育・研修”“OJTプログラム”ができる組織しなければならない。


ライフプランニング・リスクコンサルティングの実践経験が豊富なライフプランナー等の人材を確保しなければならないが、極めて難しい話だろう。


国内生保・損保会社の社員に【教育・研修】お願いする道を安直に選ぶ可能性は高い。


しかしながら、社員自ら【お客様を見つけ⇒プレゼン⇒契約締結】といったプロセスを経験した社員は殆どいない。


自分の成績のために、保険募集人や代理店に対して【お願い営業】しか行ってこなかったという社員が“実践的教育・研修”“OJT”が出来るはずがない。


新首脳陣に“コペルニクス的転回”発想があるだろうか?


『社風を一新するのなら、なんて、“嘘八百”』という発言は間違っていない。


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