例えば、仕事で自らがミスをしたのにも関わらず、責任を他の誰かに押し付ける人を【保身に走る人】と言う。
素直に自分の非を認めないといった特徴がある人のことなのかもしれない。

【保身】の本来の意味は?
『聡明で物事を的確に処理することで身の安全を保持すること』 という意味だ。
しかし、現在の意味は?
『道理に反しても身の安全を保持することや、自らの地位や名声を失わないように身を守る』
という意味に変化している。
サラリーマン社会を脱出して、フリーランスなった自分にとって【保身】というものとは、全くの無縁になる。
【失うものがない】というか?【攻めていくしかない】状況においては、ノーガード戦法ではないが【当たって砕けろ】精神でないと何も進まない。
【しがらみ】【忖度】とも無縁になったので、【保身に走る人】というのが“滑稽”にしか見えない。

【保身に走る人】の特徴を客観的に考えてみた。
1.無責任な人
自己保身が強い人というのは、何かあった時に自分に被害が及ばないように責任をほかの人に転嫁する傾向がある。
たとえ、自分がビジネス上で責任を負わなければいけない上司の立場であっても、自己保身のために部下に責任を押し付けたりすることもあるのが特徴だろう。
2.自己中心派
太鼓持ち的な行動や、他人の足を引っ張ろうとするような行動を起こす人もいるが、そんな行動をあからさまに起こさなくても、言動のすべてが“自分の立場を守るためのもの”が特徴だ。
3.プライドが高い
プライドが高いので、常に自分の弱みを握られないように行動が目立つ。
トラブルや、何かあった問題が起こった時に、言葉尻をとられないように、いつもどちらとも取れるような曖昧な発言する。
そして、自分に落ち度がないことをアピールする発言が多い。
4.問題処理能力が低い
自分一人で問題を処理・解決するはできない。
問題があれば、あからさまに他の人の足を引っ張って自分の立場を守ろうとする。
そして、この行動を正当化する小細工を画策する傾向がある。

『日本人は恥の文化』と言われて、これは武士道の【名誉】からきている。
【名誉】を守るということは、まず自らの名前を汚さない。
【恥を知る心】=【廉恥の心】と言い、武士は子供の頃から叩き込まれる。
ところが、昨今の企業の不祥事謝罪会見は、『知らなかった』という経営者だらけだ。
そして、共通しているのは、経営陣やトップが【体制立て直しの陣頭指揮をとるのが使命】と言って、辞任しない。
これは、【保身】どころか更に【恥の上塗り】をしているだけとしか思えない。
そもそも自らがトップの会社で起こっていたことを『知らなかった』と答えることこそ【恥】で、会社の存続を揺るがしかねないような出来事を、本当に『知らなかった』のなら、そもそも【経営者失格】で【無能】だ。
(TVカメラを前にして、涙ながらに土下座をするような経営者もいた。)
こういった事件を見ていると、自らの【保身のため】ならどんな【恥】でもさらす!と言わんばかりに見える。
【 寛にして栗、柔にして立、愿にして恭、乱にして敬、擾にして毅、 直にして温、簡にして廉、剛にして塞、彊にして義 】
寛容でありながら、厳しい一面がある。
柔和でありながら、芯が通っている。
慎重でありながら、ものごとの処理が機敏。
有能でありながら、相手を見下さない。
柔順でありながら、意志が強い。
直情でありながら、心は温かい。
大まかでありながら、筋は通す。
決断力に富みながら、思慮深い。
行動力がありながら、善悪のケジメはわきまえている。