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『権力に溺れる欲』と『権力にすり寄る欲』


≪ サラリーマン時代のランチタイムでの出来事 ≫

友人と二人でブッフェスタイルのカフェでランチしていたところ、見るからに大手企業の“偉いさん”と“部下”とわかるスーツ姿のオッサン6人組が入ってきた。

私が食後のコーヒーを席に運んでいる時に、事件が起こった。

この“偉いさん”が突然椅子を引き、立ち上がって私にぶつかったので、コーヒーが零れて、別のテーブルで食事している女性の椅子の背もたれにかけられたブルゾンにかかってしまった。

私のYシャツの袖口にも熱いコーヒーが、、、。

私 「オッサン!何しとんねん!気をつけろ!ボケ!」

取り急ぎコーヒーを6人組のテーブルにおいて、女性に謝罪した。

私 「(女性に)ごめんなさい。大丈夫でしょうか?」

~ 自分のハンカチを出して拭こうとしたところ ~

女性「大丈夫です。撥水加工ですから、お気になされずに(微笑)」

私 「申し訳ないです。すみません。」

そこで、気が付くと“偉いさん”は立ち尽くしたままだが、部下と思われる残りの3人がオシボリで床などを拭き、1人が店員さんを呼びにいき、もう1人は“偉いさん”の椅子をオシボリで拭いていた。

女性の“素敵な大人の対応”で一件落着と思って、6人組のテーブルに置いたコーヒーを取りに行ったら、偉いさんが私に向かって言い放った。

偉いさん 「君!わざとじゃないんだよ!わかるよね!」

( そんなことは、わかってるよ。大声で言う必要があるのか?苦笑)

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大企業の謝罪会見を見て共通することは、不正を暴かれたトップの【 他人事 】感だ。

謝罪会見のリハーサルは少しは行っているのだろうが、記者からの質問回答になると、【 保身 】と言われる禁断症状が現れてきて、辻褄の合わない『 自分のため 』のウソを平気でついてしまい、“その場しのぎ”で逃げ通そうとする。

悪態を暴かれたトップは『 自分の何が悪いのか? 』 が分かっていないので、性懲りもなく悪態をさらし続ける。

不正を行ってきたorその不正を“見て見ぬふり”していた経営陣が

「この不正の原因を究明して再発しない体制つくりを行うのが私の責務です。」

と言って、現在のポストにしがみついて、辞任しない。

問題を抱える会社は例外なく“ 世間ズレ ”していることに、トップは1ミリも気付いていない。

【権力】の働きがシステマチックな大企業において、トップ層の【権力者】の言動は、上司部下関係のみならず、関連する団体や組織、一般社会にも影響を与える。

人は【自分には権力がある】と認知すればするほど、自分が他者に及ぼす影響力の強さに酔いしれ、無礼な言動をしたり、不正を働いたりする傾向が強くなる。

誰からも苦言を呈されることも無くなるので、属性で人を判断し、『下』の人には高圧的な態度をとる。

それは、悲しいかな、【権力】や【カネ】などの “ 外的な力 ” を手に入れれば手に入れるほど、それを偏重するようになり【誠実さや勇気、謙虚さや忍耐】といった人格の土台となる “ 内的な力 ” を高めることをおろそかになってしまうからだろう。

そして【権力者=法律】という状態になると、部下と外部も含めた【利害関係者】は、【権力者】の“ 理不尽さ ”に気が付きつつも、『自分に何かをもたらしてくれるだろう』という期待で、この【権力者】に服従的な態度を取る傾向が強まり、依存度を高めていく。

これが、『 権力に溺れる欲 』と『 権力にすり寄る欲 』だ。

【権力という呪い】が人をそうさせているのだろう。

この『 権力に溺れる欲 』と『 権力にすり寄る欲 』という欲望があった人は、退職して組織を離れ、一般人となった時には、どうなっていくのだろうか?


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