【 TSB-Session 】 副読本(プロモーション)
昨今、【 プロモーション 】という言葉をよく耳にすると思います。
しかし【 プロモーション 】という言葉の意味は広く、どういった内容のことなのか?どんなことから始めればいいのか?といったことを、最初からきちんと理解している人は少ないはずです。
【 プロモーション 】という言葉についてはさまざまな定義がありますが、
『販売促進のための宣伝活動あるいは広報活動』という意味で用いられることが多いでしょう。
では、【マーケティング】と【プロモーション】は何が違うのでしょうか?
目 的
【マーケティング】 ⇒ コストを抑えて効率的に販売すること。
【プロモーション】 ⇒ 商品・サービスの認知度を高め市場の反応を分析すること。
内 容
【マーケティング】 ⇒ ターゲットのニーズや価値観に合った広告内容。
【プロモーション】 ⇒ 商品・サービスについてのわかりやすい説明。
効 果
【マーケティング】 ⇒ 売上アップ。
【プロモーション】 ⇒ 商品・サービスの認知度アップ。
消費者のニーズがわからない時は、広く【プロモーション】を行って、どのような人が反応するのか分析する。
反応状況のデータが集まったら【マーケティング】をおこない、商品改善や広告宣伝に活かす。
そのことによって、売上を伸ばすことができるという関係になります。

***<飲食店でのプロモーション戦略の優先順位>***
お金も時間も有限なので、買ってくれやすい順にアプローチをします。
1.常連さん(=既存顧客)
⇓
2.1回だけ来てくれたお客さん(=新規客)
⇓
3.まだ1回も来店してくれたことがない人(=見込み客)
つまり、お金や時間をかけるのは【 既存顧客から 】ということがセオリーです。
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ある飲食店がテレビに取り上げられて、新規客が殺到したために潰れてしまったというケースがあります。
これは、新規客で店内があふれてしまって、常連さんがお店に入れなくなり、離れていってしまったからです。
1か月も経ち、テレビの効果がなくなったら、新規客がいなくなっていったというアリガチな話です。
一般的に『原価率が低い業界はプロモーション活動に力をいれる』と言われています。
行列のできる店で有名な【俺のフレンチ】を運営している“俺の株式会社”グループは、一切プロモーション活動は行っていません。
平均原価率=55%と言われるほどに高めて、「この値段で、この美味さ!」「そして、この雰囲気」を提供しています。
飲食店情報サイトが行ったアンケートによると、飲食店経営において最も多い悩みは【 集客 】となっています。それゆえに多くの飲食店は、プロモーション活動を積極的に行っています。
私は 【 折り込みチラシやクーポンの配布 】という手法には絶対反対です。
チラシの反応率はせいぜい0.1~0.2%程度と言われるほど低いもの。
チラシをチェックするのは?その日だけ安ければ良いと考えるクーポンハッカーで、「値引き」だけが目的です。リピーターとして定着することはありません。
そのクーポンハッカーのリピート率を上げようと考えると、次回利用できる半額券や金券を配ったり、ポイントカードを発行したりと、再来店してもらえるような工夫していかなければなりません。
結局は【 値下げ 】 という方法しか【 集客 】できなくなってしまいます。
そして、こんな事に注力していたら、常連さん(既存顧客)が離れていくだけです。
プロモーション活動は、一時的な集客ではなく、【 リピーターを増やすこと 】を前提とすることが重要です。
従って、下手なプロモーション活動より、料理のクオリティは絶対必要条件ですが、顧客に「また来たい」と思ってもらうには、ズバリ【 接客 】ではないでしょうか?
スタッフの気配りや接客態度は、「また来たい」あるいは「もう来たくない」と感じさせる両方の大きな要因となっているような気がします。