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『ゆでガエル理論』と『しろうと理論』で企業不祥事を解説

更新日:2020年1月2日



カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出すが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、生命の危機と気づかないうちに茹であがって死んでしまうという話がある。

この話は、『ゆでガエル理論』として、ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの大切さ、難しさを戒めるたとえ話で、一つの教訓として定着している。

(理論といっても、実際は作り話で科学的にも誤りであることがわかっている。)

『しろうと理論』をご存じだろうか?(「専門家ではない」という意味で蔑称的な意味ではない。)

「人の心で起こるおおまかな流れの特徴は3つある」としているものだ。

① 人々は自分が独自の理論を持っていることに気づかない。

② 自分の経験に基づいた主観的な理論である。

③ 経験に基づいた理論を持った人は<選択的確証>を行なう。

経験に基づいた理論を一度持った人は、自分の理論に合う経験のみを選び出し、自分の考えとは異なる不都合な事実は 「例外的なケースだ」といって排除する。

真実や事実にかかわらず、自分が納得するためだけの、単純で極端な理由や説明による思い込む傾向が強い。

特に【権力者】は、部下から自分の理論が否定されることもないし、検証されることもないので、強固な自信になっていく。

正に、【かんぽ生命の不適切契約問題】は、『しろうと理論』に基づいた“ぬるま湯”に浸かりすぎの『ゆでガエル経営陣』が、引き起こしたものと断言してもいい。

● 「当社は、このやり方で発展してきた」と過去の栄光にすがり続ける経営トップ。

● そのトップの失敗に気づいているものの、保身に走って指摘しない役員や管理職陣。

● 安易なノルマ達成に満足して“問題の本質”から目を反らす現場のリーダー。

● 不正に手を染めても【必要悪】【会社のため】と自分に言い聞かす担当者。

販売自粛しようが、第三者委員会を設置しようが、経営陣の首の付け替えをしようが、政治家が絡みの役人と金融機関(銀行・生損保)の天下り『ゆでガエル軍団』組織体制が維持される限り、何も解決しない。

日本郵便は、組織郵便事業の衰退分を、投信や保険の販売手数料で補う体制の抜本的な見直しを行わない限り、業績悪化を招くので、同じようなトラブルが再発するリスクは高い。

『自粛期間を8月末までに設定』とし、『積極的な勧誘をしないよう』いう曖昧な制限で"自粛"と言えるはずがない。

そもそも自粛内容が曖昧で、「他社商品を売って稼ごう」とするインセンティブが働くことになるはず。

「9月以降再開したい」なんて“厚かましい”発言だ。

かんぽ生命が民間保険会社であったならば【業務停止】は免れないような不祥事で、経営危機に陥るのは時間の問題。

生命保険商品として簡易保険が際立った“魅力的な商品”ではないし、を売り続けていくことも厳しい状況になるのは間違いない。

【ノルマ廃止】が問題解決には全くならない。

一時的には、違法な営業、不適切な営業に対する抑止効果はあるだろうが、ポーズにすぎない。

行政・監督官庁及び報道関係者も、早く目を覚ますべき。

無意味な改善をいかにも本質的な改善であるかのように扱うことを即刻止めて欲しい。

【ノルマ廃止】に効果なんてない!

日本郵政のかんぽ生命の株式売り出し時に「不適切販売問題を把握していなかった」という発言を信じるの?

本当に把握していなかったとしたら、ただの【無能経営陣】だ。

ぬるま湯につかって生きてきた【無能経営陣】が居続ける企業に、改善・改革などできるはずがない。

個人も組織も、行政・監督官庁及び報道関係者も、手遅れのゆでガエルになりたくなければ、現状に甘んじることなく、“カエル=変える”しかない。

傍から見聞きしていて『こいつらアホだ!』と「呆れ返る=カエル」だけだ。


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