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間違いだらけの”働き方改革“への取組(その3)

更新日:2022年2月2日


ロシアの作家ゴーリキーの有名なフレーズに

「仕事が楽しければ人生は極楽だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ。」

というものがある。

私は、自分が「やりたい」「面白い」と思う取組でないと楽しくない。

自分のマンパワー投入先が面白くないが、その『対価=賃金』だと、【やる気】はでない。

部下「課長、この施策は何の目的でやるんですか?」

上司「顧客拡大だよ。Customer Satisfaction向上策。」

部下「この施策は、Customer Sacrificeですよ。ヤバいです。」

上司「会社として決定したの『やれ!』文句は目標突破したら聞いてやるよ。」

現在の中間管理職の大半が、そのバブル期に入社して「失われた20年」と呼ばれる低成長時代を生き延びてきた新卒一括採用社員。「会社のために」働けるだけ働くのが美徳とされた『24時間戦えますか』昭和企業戦士の先輩に鍛えられた【終身雇用】【年功序列】の前提の考え方から未だに脱皮できていないガラケー人間が多い。

この世代の多くは、若干の危機感は感じているものの『自分は大丈夫』という根拠のない自信があり、「チャレンジ精神がなくても、仕事に支障をきたしているわけじゃない。」「会社は安定しているし、仕事を不便に感じることはない」という意見が多いのも特徴だ。

そこで【働かせる側】と【働く側】との間に認識のギャップが生じている。

【働かせる側】は『生産性向上』『残業しないで早く帰ろう』『やる気を出せ』と叫ぶだけ。

【働く側】にとっては『やることは何も変わっていない』『残業できないし残業代もでない=持ち帰り残業が増えるだけ』という愚痴が多い。

「会社のために」働けるだけ働き、高収入を得るという平成初めのバブル期の発想は過去のもの。

生産性を高めるために、得意分野で役割分担することは効率的だ。

しかしながら、多くの社員は、自分の得意部署や好きな役割が与えられているわけではない。

縦割り組織では細かく分業が進んで、メンバーそれぞれが一部の工程だけを担当するような体制になる。

専門性を高めると言えば聞こえはいいが『隣は何する人ぞ』マインドが横行するので、全体像が見えなくなる傾向が強くなる。

全体像や目的まで知らないようになってしまうと、【やる気】はなくなって、生産性は下がってしまう。

「マニュアル通りにやってくれればいい」「指示通りにやってくれればいい」という【働かせる側】の指示で、決められた手順から外れないよう、規則や定義にしばられた中で創意工夫もなく手を動かすだけの誰にでもできる単調な「作業」で【やる気】を出すのは難しい。

そもそも「仕事」と「作業」は違うものだ。

「作業」というのは、事前に定められた手続きに従って手を動かすことに価値がある活動。

「仕事」は、誰かに価値を届けるための活動。

<【働かせる側】の中間管理職に必要なこと>

部下に対して【仕事をする「価値とは何か」】を説いて、「仕事」の醍醐味を感じる方向に導く事だ。

「どうやって無駄を省いて効率を上げるのか」「どうすれば効果的に価値を出せるのか」といった創意工夫を任せて、仕事に対する主導権を握らせる。

これは必ず【やる気】につながる。

【働き方改革】というものは、意識の違いに目を向けず、制度だけ変えてもうまくいくはずがない。

部下に「作業」ではなく「仕事」を任せて【やる気なってもらう】のが重要なポイントである。

「責任は俺がとるから思いっきりやれ!」と言って「作業」ではなく「仕事」を部下に任せましょう。



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