そもそも「働き方改革」とは、『仕事って“いいね!“”楽しい!“』と思えて元気になって、各個人の能力が発揮され、さらに付加価値が引き出され、その結果として「生産性」が高まることだ。
社員が生き生きしていてアクティブにポジティブに働いている職場ならば、残業も減るし、無駄な会議も減るし、休暇もちゃんと取得できるはずである。
働き方を改革することが必要なのであれば【なぜ今その必要性があるのか?】という危機意識を組織として共有し、本質論を一致させて、その変革を阻む要因に対して個人と組織が手を組んで対処していかなければ実現するはずはない。
簡単に言う、ルーティン業務時間をIT化などで極力削減して、クリエイティブ業務時間・自分の能力アップの時間を増やすことである。
しかしながら、働き方改革の必要性は社会的に広く認知され、議論になっているものの、実際は何も変わることができなくて、「長時間労働の削減」が代名詞になっているだけと言えるのが、日本の働き方改革の現状だ。
会社側は【残業をなくす】【会議をなくす】【有給休暇をとりやすくする】といった掛け声とともに、新しいルール・制度を作る。
ところが、社員側からは「残業できないので残業代は入らなくなった」「持ち帰り残業が増えた」などの不満が聞こえてくる。改革が【改善】でなく【改悪】になっている。
それはなぜか?
● 問題が大きすぎて何から手をつけていいかわからない。
● 誰かがやってくれるだろうから、自分から動くのは損。
● 仕事は単なる金を稼ぐための手段なので、今のままでいい。
この他人事感覚が萬栄していて、自分自身の意志や考え方がなく、流されながらなんとなく生きている無個性な人間が大半の老舗大企業ほど、働き方改革の成功事例は表れていない。
組織が大きくなればなるほど、成果が出せない無能であろうが、理不尽に辞めさられることはないので、損得を考えると、わざわざリスクの高いことに自ら動く必要はないと考えるのでしょう。
働き方を改革しなかったとしても今日、明日直接何かに困るというような状況に陥ることはないかもしれないが、一足早く変革を実現した企業や組織・個人との差は、この1~2年で、間違いなく歴然としたものとなって表れる。
親会社やメーカー動向に左右されやすい下請中小企業(特約店・代理店・FC店含む)こそ、経営者と社員が一丸となって、一刻も早く「働き方改革」をやって、自社だけでも生き残れる戦略・戦術を生み出すべきだ。
ルーティン業務に振り回されて「忙しい」と連呼しているだけでは、新しいビジネスを生み出す時間(クリエイティブ)を創出できない。
「働き方改革」便乗した働き方改革のコンサルティングなどの会社もあるようだが、まああれは雨後の筍のようなもので、本質的でないところが殆ど。「これをやってみたらどうでしょうか?」という更なる【足し算】を提案してくるだけ。
経営者にしか出来なくて、今必要なのは、ルーティン業務の大胆な【引き算】を行う決断です。