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“もったいない”という基準は?


大企業を辞めないほうが良い人は、世間体や社会的ステータスが大事だと思っている人だろう。

たとえば、親や周りの友人に「大企業の〇〇勤めだからすごい!」なんて評価されて、誇らしい気持ちでいられて、その肩書きを手放したくないのなら、大企業勤めを続けるべきだろう。

金融業界を取り巻く状況が厳しくなるにつれて、三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなどの人員削減のニュースを見聞きする機会が多くなってきた。

そんな中、損害保険大手の損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)が、2020年度末までに国内損保事業の人員を4000人削減し、2021年度には100億円規模の収益改善効果を見込んでいる

方針に関して報道があったが、このリストラは他の事例とは決定的に異なる点がある。

具体的にどうやって人員を削減していくかというと、損保事業では定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の活用を進めていき、介護やセキュリティー事業など、損害保険事業以外を手がけるグループ会社へ出向させる。

不採算部門、不採算人員の最適化などを図るという意味でも、有効な手段だ。

「割増退職金の支払いを伴う希望退職がない」ことに注目する必要がある。

希望退職がない以上、会社側が配置転換のイニシアチブを取ることになり「本業での成果が上がらない人」が出向のターゲットなる。そして、辞めてほしくない優秀な人の流出をある程度防ぐことができる。

【人が余っている分野から人手不足の分野への配置換え】⇒【嫌なら自己都合で辞めろ】

当初の雇用契約に反しない限りできることになる。実態としては集団左遷では?とも思えるが。

大企業勤務の大半の人は、一度正社員ともなれば、成果が出せない無能であろうが、理不尽に辞めさられることはないので、会社にしがみつく生き方を選ぶ。

【上司に嫌われない】で、真面目にしっかりと働いておけば、それなりの安定が保証されるのが、大企業勤務のいいところだった。

大企業を辞めるかどうか悩んでいる人に多いのが「もったいない」という基準があるようだ。

「辞めるのがもったいない」「捨てるのがもったいない」と感じている場合、原因としては「今の状態を維持したい」「未来の可能性を捨てたくない」という心理だろう。

今の会社で確実に昇給・出世が見込めるぐらいに地盤が固まっており、社内評価もいいのであれば、「将来、役員クラスになって年収数千万円もらえる立場になって、楽に生きられる」という可能性はゼロになるわけなので、確かに辞めるのはもったいないかもしれない。

そうでなければどれだけ今の会社に尽くして努力したところで、必ず将来的により良い環境で働ける保証はない。大企業でも安定しない時代で、少子高齢化の年金問題など、国自体に不安が残る時代で、どんなに安定していると言われる会社でも先は見えないもの。

損保ジャパンの方針発表は、少しでも「大企業勤めという肩書きが息苦しい」「世間体に流されて自分の欲求を押し殺して生きていくことが辛い」と感じているのであれば、大企業勤めであることを見直した方がいいというキッカケになるだろう。

もったいないかどうかなんて「辞めた後に成功すればもったいないとは思わない」と考えればいいのでは?と私は思っているので、自主退社後は、毎日楽しく元気に暮らしている。


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