定年延長制度を考える


先日、街を散歩していている途中で、以前勤めていた会社の直属の上司に遭遇した。

お互いに「久しぶり。お茶でもどう?」という話になるのは自然な流れだ。

退職2年前の1年間、私は彼女の部下として仕えた。現在は役職定年(55歳)で研修部門に異動となり第一線を外れたが、【女性活躍推進】のシンボル的存在で、リーダー職として営業部隊を統括してた若い女性社員の憧れの存在でもあった。

小生「どう?最近の会社は?相変わらず意思決定遅いの?自分の出世しか興味ない他人事?無関心?(笑)」

彼女「相変わらず口悪いね(笑) 会社は相変わらずよ。どう?独立後の生活は?楽しそうだね。」

小生「そもそも論として、僕が役所みたいな堅物会社に所属していたことが間違いだったんだよ。」

彼女「そうね!自由人だしね。私は60歳定年までは会社にいるわ。」

小生「定年延長とかするの?」

彼女「まだ決めてないけど、、、。そうそう、定年延長制度が、65歳までじゃなくなって延びたよ。」

小生「ますますガラパゴス化していくだけじゃないの?」

彼女「65歳以上の雇用に関しては、会社側に【採用or不採用】の決定権があるらしい。」

小生「そこまでして、この会社に残りたいのかな?」

彼女「外の世界では生きていけないし、我慢してれば、給料もらえるから楽なんじゃないかな?」

小生「で、貴女は今後どうするの?」

彼女「何も決めてない。何の特技もないし、もう年齢が年齢だから再就職なんて不可能でしょ。」

彼女と別れた後、「この会社を辞めてよかった。」「自分の決断は間違っていなかった。」と妙に納得した自分がいた。退職時の上司や同僚の冷たい心無い言動に対してモヤモヤ感が残っていたが、キレイさっぱりとなくなっていた。

そもそも定年制度は終身雇用と年功序列という日本企業の体質を維持する上で欠かせないものだろう。

近年では少子高齢化や労働力不足のため元気な高齢者にはもっと働いてもらいたいという需要が高まっていることもあり、政府が旗振り役になって定年延長を勧めているが、年金制度の行き詰まりから、高齢者の労働継続によって年金受給年齢を引き上げるという意図は見え見えである。

定年延長制度というものは、企業側、社員側の双方にとってメリット・デメリットがあるとは思う。

私は、再雇用シニアと彼らを使う管理者の双方とも、まだ役割変更後の“関係づくりが不慣れ”なので、上司は遠慮、元上司は我慢、周囲は気遣いの職場になってしまうので、企業側にとってはデメリットのほうが大きいと思っている。

早くから、高年齢者雇用やその活用策に取り組んできた工場現場を持つメーカー企業などでは、現場のベテランシニア技能者を、現場戦力として長く活かし続け、文字通りシニア社員が現場を支える好例企業もある。

しかしながら、営業・販売やサービス系の企業では、卒業した元上司を再雇用で、上手く扱うことには慣れていないところが多いはず。「定年前OB化」や「定年後腰掛仕事化」してしまったシニア社員と一緒に働く若手・中堅層には、“なんとなくやりにくいムード”を作ってしまうだけだろう。

政府というか?体裁だけで「定年延長制度」を行っても、旧態依然とした考え方の人々が増やすだけで、イノベーション発想とは程遠い状態を作るだけで、企業としての進化の妨げになるだけだと思うが?

私は、こんな職場環境で自分のモチベーションを維持できるようなメンタルは持っていない。

仮に定年延長で会社に再雇用されたら、現役社員時代以上にストレスが溜まって嫌になるだろう。


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