大企業で働いて学んだこと(その11)

最終更新: 1月2日


マーケターを志す人間は「その立場にならないと、そこからの景色は見えない」という供給者論理・目線でなく、消費者目線に立たないと施策は生まれないという考え方が常識である。

しかしながら、私が世話になった保険会社は、商品供給会社なのにマーケティング部門がないという不思議な企業だ。


新しいビジネスがスタートすれば、ニューリスクが発生し、ライフスタイルが変われば、それに応じてリスクが生まれる。


保険商品というものは、そのリスクに対応するように新商品が生まれるので、マーケティングという概念が希薄なのかもしれない。

その保険会社を定年退職した人から話を聞くと


「糞っくらえって思ったね!」


「後輩社員には、労を労う気持ちなんてこれっぽっちもないよ。だって、退職する人間は出世に関係ないもん。興味なんてないのさ。」


と同じ答えが返ってくる。

しかしながら、年に何度か行われている会社主催のOB会を楽しみにしているようだ。

私の場合は、定年前の自主退職だったので、定年退職の諸先輩とは違ったのだろうが、やはり「こんなに冷たい対応なんだ」というのが正直な感想だった。


有給休暇が余っていたので最後の2か月間は、ほとんど出社しなかったが、出社最終日の退職セレモニー開催についても直属の上司からの打診されることもなく、後輩から個別に「送別会やりましょう!」と声をかけてくることもない。


人事総務部門の方々も事務的そのものの対応。


まあ、自業自得と言うか、身から出た錆というのか?『この会社における自分の存在って、こんなものなんだ』と認識させられ、未練もなくキッパリと気持ちを切り替えることができ、退職することができた。


そして、会社主催OB会への入会をキッパリと断った。断りの理由は極めてシンプル。


「加入したくないから」と書いて提出した。(笑)

シニアマーケット対策が上手くいっていない大企業が多いのは、シニアの立場からの景色を見たことがない若い現役社員中心に施策を考案し、施策のGoサインを出すのも現役社員だからだと思う。


【机上の空論】の上の施策なので、現実の顧客感覚との大きなズレは已む無しなのだろう。


若い人事担当者にとっては、退職者対応なんて、与えられた業務の一環で、他の事務処理と同じレベルだ。


定年まで働くのが大前提である旧態依然とした役所のような体質の民間大企業における中途退職者は、レアケースなのかもしれないが、事務連絡も十分に完備されているとは言い難い。

定年退職後も会社の定年延長制度を利用して働き続けている多くの先輩を見てきたが、私は自分が定年延長制度で働く姿が考えられなかった。


今まで部下であった後輩が上司となり、その指示・管理下で、さほど重要でもない業務や作業を与えられて【やりがい】というものを感じることができないと思ったからだ。


定年延長制度で働いている人を否定しているのではなく、その役割・働き方を決めている企業側の考え方が違う。


私が提言したいのは、その立場からの視点(そこからの景色)を商品開発・サービス開発に活かせばいいということなんです。

日本は、東京オリンピックイヤーの2020年の総人口は1.2億人で成人は1億人です。成人の60%が50歳以上の6000万人で、40歳以上になると80%の8000万人という少子高齢化社会になる。消費リーダーとなるのがシニア層なのは明らかなので、そのシニア層のパワーを活用すべきと思っているが、違うのかな?

日本マーケティング協会は

「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」

と定義している。


しかしながら、この定義では「難しい」と感じてしまうので私は、


【 マーケティングとは『儲け続ける仕組みを作ること』 】


と解釈し、重要なのは儲け続けるのは自社のみでなく、顧客も儲け続けなければいけない、という「自社と顧客の間にWin-Winの関係を永く築く仕組み」と言い換えることにしている。

と言う事は、私が所属していた保険会社を辞めたのは「顧客とWin-Winの関係を永く築く仕組み」という概念がないと感じたからなのかもしれない。


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