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働き方改革を考えてみた!

更新日:2020年1月2日



この世で最も平等なのは時間という人がいる。確かに1日24時間で、誰にも変えることはできない。

しかしながら、その時間の使い方に関しては決して平等ではなく、人によって大きな差がついている。世の中の不平等はこの時間の使い方によって生じていると言っても過言ではないだろう。

私は大企業と言われる企業に属していた際、WC等で同僚と一緒になると声をかけた。

「どう?最近は?」と問うと、100%近い確率で「忙しいです。バタバタですね。」という回答が返ってきた。

本当にみんな忙しいのだろうか?と疑問だったが、私は【干されていた】ので特別暇だったのは事実(笑)

最近は【働き方改革】というフレーズを耳にしない日は無い。【働き方改革】の主語は、誰だろうか?

経営陣や管理職が叫んでいるのは『働かせ方改革』であって、【働き方改革】の牽引者にすぎない。

会社の業務時間を大別すると、

① ルーティン業務に従事する時間

② クリエイティブ業務に従事する時間

③ 自分の時間(勉強するとか調べるとか)

である。【働き方改革】の基本的な考え方は、この①ルーティン業務の従事時間をITやAI等によって<無くす>⇒<減らす>⇒<担い手を移す>事で極力少なくして、②クリエイティブ業務と③自分の時間を増やす事で生産性を向上させていくというものである。

ルーティン業務の細部は、担当している人が一番詳しくて『業務フロー&見える化』を作成できるのは担当者自身である。

管理職は「業務を『見える化』しろ!」と声をあげているだけで、担当者が作成した『業務フロー&見える化』によって初めて、その業務を<無くす>等の場合のメリデメと他業務等への影響度合いを考え、業務継続の可否を判断するのである。

「上司が何か言ってくるだろうから、それからだ」とかの他人事感覚の待ち姿勢では【働き方改革】は絶対に成功しない。

全員の【本気度】が絶対必要条件で、【働き方改革】の主語は、当該業務を担当している担当者で、活動主体である。

某総合病院から相談された際の違和感は【働き方改革】を考える上で理解しやすいケースなので披露する。

医療現場は、非効率な業務や過酷な勤務実態が存在し「働き方改革」の必要性を感じているものの、取り組む前から「我々には難しい」「できないだろう」という“思い込み”、もしくは“あきらめ”のようなものがあることだ。

看護職等の業務を数値化することが難しく、個人の能力で左右される部分が多すぎるのは事実ではある。

看護婦長を呼んで話を聞くと「私たちの病院には、画一的な業務はなく、改善、効率化の余地はほとんどありません」「我々は患者様の病気を治療し、命を預かっています。

複雑で多様な業務があり、常に緊張感とスピードが求められます。事務担当ならばわかりますが、看護職等は一般企業のようなわけにはいきません」というような回答がお決まりパターンだ。

そこには、多くの問題点があっても、頑張るしかないという意識が見え隠れしていて『外部の素人のお前に何がわかるか!』といったプライドと威圧感が強く伝わってくる。

しかしながら、業界・職種の常識を持たない私にとっては「その業務は、看護師が行わなければいけないもの? 他の方に任せることはできませんか?」といった率直な疑問が直ぐに浮かんでくる。

医療現場で「働き方改革」を阻んでいるものは、そこで働く人たちの「思い込み」や「あきらめ」で、「忙しくて、働き方改革に取り組める余裕もない」という声が聞かれ、多忙を極めるからこそ「働き方改革」の推進が必要なはずだ。できない理由を考えるよりも、「どうやったら変えられるか?」という視点で始めて欲しいものだと感じた。

仕事は自分と社会との接点で、家族と一緒にいる時間や趣味の時間よりも職場で働く時間のほうが長い人は大勢いる。その時間をどう過ごすかは、とても大事なことである。しかしながら【働き方改革】に対して能動的に動かずに受動的な待ちの姿勢でいるのか?の理由はなぜか?それは簡単である。

終身雇用と年功序列を前提とした制度下では、その会社で偉くなるには人間関係で失敗するとやり直しが効かないリスクがあり、ある者が立てた前提(空気)に従わない者を、徹底して追い詰めていく同調圧力がある。

この空気によって、不都合な現実は隠蔽される。【働き方改革】の必要性は誰もがわかっているのだが、言い出しっぺになるのはハイリスクなので、誰も言い出さなくて、見て見ぬふりでダンマリを決め込む。

立場が高い人のお墨付きを得ない限り動かないというのが”得“で、この構造が自然に”忖度“を生んでいく。

この構造が一変されない限り、大企業病の日本企業において【働き方改革】が進むことはないだろう。

(参照【「超」入門 空気の研究】鈴木博毅 著)

私は【業務改善】のコンサルの場合の『正方形の氷を球形の氷に作り変える場合にどうしますか?』と問う。

アイスピックで削るにはテクニックがいるので『一旦溶かして、球形の器に入れて凍らすのが簡単では?』と付け加える。

すると【でも】【だって】【どうせ】という3D言葉が枕詞となる現状の業務に関する自己弁護と【できない理由】の反論が始まる。

そこで、ロシアの作家ゴーリキーの言葉である【仕事が楽しければ人生は極楽。仕事が義務ならば人生は地獄】を披露する。

このフレーズには、ほぼ全員首を縦に振るので『じゃあ、全部やって確かめたらいいじゃん』と言い『改革は痛みを伴うって言うし、まず自分たちが能動的にアクションしなければ【働き方改革】が上手くいくはずない。主語は担当者自身でしょ?』と。

【好きな事をやることが一番生産性の高い人生】と思うが(笑)


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