1.ソーシャルメディア=SNSではない
ソーシャルメディアとSNSとを混同している人の方が多いかと思います。
ソーシャルメディアとSNSは同一ではありません。
「ソーシャルメディアの内の1つ(構成要素の1つ)としてSNSがある」です。
ソーシャルメディアとは、マスメディアと異なり「クモの巣状」に情報の発信者と受信者が繋がっているメディアです。
また情報の受け取り手であり情報の送り手でもあるので「拡散」が起こります。
SNSに対してソーシャルメディアとは全体像です。親カテゴリーやフォルダと言ってもいいでしょう。
ソーシャルメディアというフォルダにはSNS以外のもの、ブログ、動画共有サービス、写真共有サービスなどがあります。
では、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは何か?
SNSは情報の伝達が目的ではなく、友人とのコミュニケーションをとることが目的の媒体です。
メディア媒体にソーシャルが加わったのではなく、コミュニケーションツールにメディア要素が加わったものです。SNSもソーシャルメディアの1つであり、メディア媒体でもあるが、よりコミュニケーション(人と人とのつながり、関係性)要素が強いソーシャルメディアだと言えます。
他のメディアと違って情報の送り手と受け取り手との関係性が強いということです。
明確な定義をすることは重要で、ソーシャルメディアをマーケティングツールとして施策を考え実施していく上で、「これはSNSなのか?それとも別のタイプなのか?」を考える必要があるからです。そして、それによって取るべき施策が変わるからです。
2.ソーシャルメディアの特徴
なんといっても、ソーシャルメディアの特徴は、「直接的」、「双方向性」である。
従来のマスメディアは特定の個人に対してのみ情報を発信することができない。
マスメディアの代表格であるテレビCMは膨大な数の視聴者に情報伝達することができる一方、全く興味・関心がない人にもプロモーションすることになり、非効率さがあることは否めない。
たとえば、ピンポイントで
「当社のHPを閲覧し、一通りサイト内を回遊した結果、Facebookでいいね!を押した人」
という特定のターゲットにプロモーションすることは従来のメディアでは不可能である。
しかし、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を含むソーシャルメディアの世界では、
「いいね!を押し、さらに該当商品の商品紹介を閲覧した人」
までターゲットを絞り込み、広告を打ち込むことができる。
また、ソーシャルメディアでは受信者が情報を発信することができる。
Facebookで興味を持った人が個人のブログで紹介すれば、おのずと自社の商品・サービスの情報が広まっていく。
ただし、留意点としては情報が単体として主体的に拡散していく一方、一度、間違った情報がWeb上に掲載された場合、その情報が拡散してしまうリスクがあることだ。
そのため、企業がソーシャルメディアを活用する場合、明確な戦略と社内の発信体制・コンテンツの管理などが必須となる。
ネット上の掲示板やブログは制限をかけなければ不特定多数に発信できるが、SNSはコミュニティを形成することを目的の1つとしたサービスであるため、「内輪での共有」が大きな意味を持つ。
SNSを利用している個人は、自分がネットワークを構築したい、または既に現実世界で交流がある人とSNS上で繋がりを持つ傾向が強い。
すなわち、ブログなどに比べて、よりユーザー間の連携が強いことが特徴である。
また、利用についてもSNSは個人利用を前提としているため、企業が活用する場合、膨大な個人とのネットワークを構築することができ、かつ、個人同士のような強いつながりを生み出し得る。そのため、企業が狙いたい的確なターゲット層とネットワークを構築できれば、非常に強い訴求力を持ったツールになるといえる。
ただし、SNSには多様なツールがあるため、それぞれのツールに強みがあるため、自社が何を訴えたいか、誰に売り込みたいのか、どのような行動を促したいのかによって使い分けが出来ないと効果的な施策にはならない。