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コロナ禍を“働き方の改革”の良い機会と前向きにとらえよう(その1) <【メンバーシップ型】と【ジョブ型】とは?>

更新日:2020年4月18日

各企業が、『コロナウィルス感染拡大リスクの回避』の観点から、この緊急事態下で、様々な方法での【働き方改革】を模索している。

在宅勤務、時差出勤、休日への振替出勤、チームメンバーの分散、不要不急な出張の削減、そして会議や訪問はWEBで行うなど。

(当然のことだが、全部門の全社員が在宅勤務で対応できるわけではない。)

TVでは毎日にように現実を知らない国会議員や知事が『在宅勤務をお願いします』と訴えている。


『言うのは易し行うのは難し』


と言われるように、どんな企業も【在宅勤務】を行いたいのは山々だが、

特に中小企業からは


「そもそも【在宅勤務】の準備ができていないから」


という本音も聞こえてくる。


ここで言葉の整理をしておこう。

日本テレワーク協会によれば、【テレワーク】は具体的に下に挙げる3つの働き方を想定している。

【在宅勤務】


【モバイルワーク】(移動中や顧客先で、パソコンや携帯電話を使う働き方)


【サテライトオフィス】

最近よく目にする【在宅勤務】はテレワークの1つ。


一方の【リモートワーク】は「オフィス以外の場所で働く」というだけで、具体的にどんな働き方をするかの定義づけはしていない。


【テレワーク】は大企業や国が、

【リモートワーク】はIT業界やベンチャー企業が、


それぞれ「オフィスに出社しない働き方」を指す言葉として使う傾向があるようだ。


日本の多くの企業は、【メンバーシップ型雇用】だ。

【メンバーシップ型雇用】とは、ザックリ言うと


日本で伝統的に採用されている「年功序列」や「終身雇用」を取り入れている雇用形態。


仕事内容、勤務地、働く時間に対して明確な規定が無いため、状況によっては会社が社員に対して、部署の異動や転勤を命じることができる。


最大の特徴は、『先に人を採用してから仕事を割り振る』=『人材に仕事を割り当てる』雇用形態という点だ。

一方、欧米諸国の主流は【ジョブ型雇用】


と言われるもので


『仕事に対して人が振り当てる』という雇用形態だ。



正直申し上げて【メンバーシップ型】組織と【リモートワーク】との相性は悪い。

例えが適切か?わからないが私は、相性の悪さを次のように説明している。

【ジョブ型】組織には、

≪“アプリ”【リモートワーク】≫

を入れる程度の感覚なので比較的に簡単に導入できる。

【メンバーシップ型】組織には、

そもそものOS(基本的な組織の考え方)自体を変えないと

≪“アプリ”【リモートワーク】≫

は馴染みにくいし、機能しない。


OSは、『何はともあれ出社して』、同じ職場で業務を行うのが前提なので

≪“アプリ”【在宅勤務】≫

を入れても、不具合が多いので労使双方ともに混乱してしまう。


逆に【生産性の低下】に結び付く可能性も否めない。


満員電車に長時間揺られて通勤する時間が、人生の大きな無駄な時間だということは、多くのオフィスワーカーが思っていることだろう。


(残念ながら、彼らの大半が“会社のルール”を変える力は持っていない。)

コロナショックの影響での、【時差出勤】や【在宅勤務】でも

『結構仕事ができる』

ことが分かったら、


『何はともあれ出社』という昭和の延長線上の企業文化も、

『在宅勤務は“サボる”』という懸念点も払拭されれば、

会社のルールを変えることができる可能性は高くなるはずだ。

もちろん、工場労働のように『出勤して、その場に居なければならない』業務はある。


しかしながら【人と接することを削減】を前提で考え直すと、

そんな現場でも

『機械化・AI化できる部分はないか』という視点となり、

“知恵と工夫”が生まれてくるだろう。

“モノは考えよう”というが、

私は、コロナショックは、政府が進めてきた【働き方改革】よりも、もっと大きな影響力を持つ【働き方改革】推進策となって、日本人の働き方を抜本的に変えるかもしれないという期待感がある。


(評論家・コメンテーターといった学級委員・風紀委員にはお叱りをうける表現かもしれないが(笑))

いずれにしろ、コロナショックによって、多くの企業は【業務トリアージ】を余儀なくされたのは事実だ。

【メンバーシップ型】というOSを急に変更することはできないが、【在宅勤務】でも取組やすい【働き方改革】の準備を私は提案したい。

私は以前から下図にあるように、従業員の個々人が考えなければならない、

自分が主体となる労働時間の中身を3分類してセミナー等で説明してきた。


(※)これはオフィスでの勤務を前提としているが【在宅勤務】を行うにあたっての基礎的な考え方でもあると思う。


1.ルーティン業務に従事する時間


 決まった手順で繰り返し行われる定常作業


2.クリエイティブ業務に従事する時間


 新しい取組等を考察してトライする時間


3.自分の時間


 自分が関連する業務遂行に関する勉強や研究時間

【ルーティン業務】を全て洗い出して、


①『なくす』 

②『減らす』 

③『移す(担い手を変える⇒機械化)』


といったトリアージを行って、従事する時間を大幅に減らす。


そして【クリエイティブ業務】&【自分の時間】を増やすことによって、

生産性を高め、ビジネスイノベーションを創造することだ。

オフィスワーカー(特に事務従事者)にとって、

【ルーティン業務】の見直しが大きなポイントになることは理解できるはず。

「これは私にしか出来ない仕事!他の人に任せることはできない!」

といった話をよく聞く。

組織と言うのは何があっても稼動できるようなつくりが求められるので、


『特定の人しか関与できない・分からない仕事がある』


ということが組織的に間違っている。

しかしながら、上司(リーダー職・管理職・組織長)が各業務プロセスの“やり方”を全て把握している訳ではないだろう。


従って、各当事者(各業務プロセスの実務担当者)が、

“やり方”を『見える化』して、上司の、

判断を仰ぐのがスムーズにいくと考えられる。

『【メンバーシップ型】組織の【働き方改革】の取組への第一段階の“主語”は誰なのだろうか?』

その問いへの答えは、

各当事者(各業務プロセスの実務担当者)だ。

この緊急事態宣言下での【在宅勤務】で、

自分が当事者になっている業務を見直して、

改善点を整理する【業務の“見える化”】を行う。


前向きで生産的な【在宅勤務】と考える。


いかが?

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