クライシスマネジメントは力強い安定した組織作り(その5)<【PDCA】vs【OODA】>

ビジネスにおけるマネジメント理論は“軍事学”の分野からビジネス向けに調整されたものが多くあるが、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した【 OODA 】という意思決定理論もそのひとつだ。



【 PDCA 】サイクルは元々、工場の生産性や品質管理の効率化を目的として、日本科学技術連盟(日科技連)が提唱したと言われている

ご存知とは思うが、簡単におさらいしておくと、

【 PDCA 】サイクルとは?


<Plan(計画)>⇒<Do(実行)>⇒<Check(評価)>⇒<Act(改善)>


というプロセスを回す(サイクル)ことで生産性や品質向上を目指すもの。

明確な見通しを立てられるプロジェクト、例えば、工場の生産ラインや、品質管理など、計画を立てやすいプロジェクトにおいては有用なノウハウだ。


しかしながら、十分な時間をとって計画をたてる猶予のない場合(緊急事態下)においては、役に立たないとも言われている。

一方、【 OODA 】は、

明確な見通しを立てづらいプロジェクト、

つまり新規性の高いイノベーションや、

不確実性の高い分野に挑むプロジェクト、

戦場のような変化がきわめて激しいときに、

適した考え方である。



【 OODA 】の各フェーズ?

(ここでは<Loop(見直す)>も加えて説明する。)

<Observe(観察)>


情報を収集するプロセス。収集される情報は一次的なもの、つまり生のデータ


<Orient(状況判断)>


収集した情報に基づいて、意思決定者が状況を理解し判断する段階


<Decide(意思決定)>


状況判断に基づいて次に取るべき行動を決定する段階

(まだ実行に移るべきでないという意思決定がなされた場合は観察のプロセスへ戻る)


<Act(行動)>


意思決定によって下された決定に基づいて、プロジェクトのメンバーが行動に移す段階


<Loop(見直す)>


行動の結果はすぐに観察の段階に反映され、続く状況判断において評価される。

目的が達成されるまでOODAのプロセスを高速で回転させ、より最適に近い行動を取り続けることが可能。

【 PDCA 】 vs 【 OODA 】

① 計画を立案する段階と重要性が違う


【PDCA】が「自分の計画」から始まるのに対し、【OODA】は「相手の観察」から始まるところが異なる。


【OODA】における「計画」は目的達成の一手段にすぎず、不要であれば計画を立案せず、必要であれば事前の計画を破棄して新たな計画を立案する。

② 重みを持つプロセスが違う


【PDCA】では特に<評価>と<改善>に重きが置かれる。


【OODA】では<状況判断>が最も重要であるとされている。


<状況判断>が悪ければ<意思決定>は不適切なものとなり、それに伴って<行動>も不適切なものとなる。

③ 停滞しやすいプロセスが違うので行動(実行)が繰り返されるスピードが違う


【PDCA】は<評価>の段階で停滞しやすい。こので<行動>に移るのが遅くなりがち。

(【PDCA】は慎重を期すべきプロジェクトにおいては有用といえる。)


【OODA】では<意思決定>がなされたらすぐに<行動>する。

<行動>の結果は<観察>を通じて<状況判断>に利用され、次の<意思決定>がなされる。


(【OODA】は、不確定な状況においても成果を出す必要のあるプロジェクトに向く。

ミスが許容できないプロジェクトには向かない。)

【OODA】は、激しく変化する状況を<観察>して即座に“決断”して、<行動>することが重要なので、完璧主義である必要はない。


まったく経験したことがない状況に遭遇した場合に、完璧な<決断>などできるはずがない。


“直観”に基づいて<行動>して<状況判断>を改め、より良い<意思決定>と<行動>へ繋げていけばいい。


日本人の典型的な考え方は次の通り。


● 他人と同調することに重きをおく


● 分析や計画、そして評論が大好き


● 他人の眼、評価を気にしてばかりいる


● 周囲が動き出すと急に慌てて追随する


● 先送りが多くて“決めない”で“動かない”

スピードと柔軟性が最優先の時代において、多くの官僚主義者・政治主義者(大企業病感染者)は厄介な存在である。

こんな時代こそ、瞬時に“決断”して“動く”思考法【OODA】が必要だ。


ただ、日本人も捨てたもんじゃない。

【OODA】の思想的骨格に位置付けられているのが、宮本武蔵の『五輪書』だ。

『 神仏を尊び 神仏に頼らず 』

『神仏を尊び』という【謙虚心】、『神仏に頼らず』という【自立心】が、【クライシスマネジメント】の心構えだ。

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