【危機とは?】
通常のオペレーションや、日常的な生活を、全面的にストップさせてしまうような重大なトラブルのこと。
では、危機管理ができていないとは、どういう状態なのか?
『重大なトラブルが、どこで起きているのか?』
『全部で何か所あるのか?』
『誰が担当して、それと戦っているのか?』
『この先どうなるのか?』
といった状況が全くわからない状態にあることだろう。
どんな組織(プロジェクトを含む)でも、現場の人々が、それなりに問題を解決しながら進めている。
それによって、一定のレジリエンス(復旧能力)があるわけだ。
しかし、重篤な危機的状況においては、通常の現場体制が持つレジリエンシーを超えている。
そんな現場の状況は、刻々変わっていく。
分析や意思決定に、何時間もかけてはいられない。
命令がなくてもルールの規定がなくても、すぐに判断しなければならない場合が多い。
【ルールより有効性が優先】だ。
【官僚主義的組織】では、
有効性よりルール、前例が大切にされる。
仕事の分担は細かく規定されていて、他の領分に手出ししてはいけない。
各担当者が自分の権限を超えて考え、判断するのも許されない。
失敗が許されないから、前例踏襲主義になる。
【官僚主義的組織】の最終目的は、自己保全だ。
有用かどうかは、どうでもよくなってしまって、非難されないことが大事になる。
(リスキーな決定は、排除される。)
「危機管理マニュアル」や「事業継続計画(BCP)」などの
【事前のリスク回避準備】
【管理のための管理】
が大好きだ。
そして「危機管理マニュアル」や「事業継続計画(BCP)」で全てに対応できるかのような幻想が闊歩する。
(そのルールやマニュアルの内容も、誰が決めたのかも、よくわからないようになっていって、アップデートされていない。)
そのため、危機状況下では、意思決定が遅くなる。
対応ができなくなると、お決まりの
『 想定外でした 』
などの言い訳に終始し、責任の所在を隠蔽する。
それ故に、【官僚主義的組織】は、危機に応対するには向かない。
また、危機管理において、組織における【政治主義】、その典型である【派閥争い】が、厄介な障害となる。
自分が属している派閥のリーダーがトップにたつと、イエスマンばかりがリーダーを取り囲むようになり、リーダーのところに、不都合な情報が上がっていかなくなる。
敵の問題は「屁理屈」をこねてでも論難。
自分たちの問題は「言い逃れ」で無視。
どんなに優秀なリーダーだって、正しい情報が入ってこなければ、正しく判断できなくなるだろう。
危機対応のマネジメントに、“競争原理”は必要ない。
必要なのは、“協力原理”に基づいた行動だ。
すなわち、前例や権威を超えた、臨機応変な自発的なアクションだ。
BCP(事業継続計画)の策定は必要だろう。
しかしながら、【官僚主義者】【政治主義者】によって策定されたモノは、緊急事態化は使い物にならない。
【現場】【現物】【現実】を知らない人が策定したモノが役に立つはずがない。
危機管理は、マニュアルにもルールにもない状況で、「どう考えるべきか?」から出発するべきと私は考えている。
危機と闘う体制(考え方も含めて)を整えることが、【クライシスマネジメント】だ。
#危機管理
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